1、むし歯とは
むし歯は歯磨きが悪いと起こるといわれますが、私は一番の原因は生活習慣だと思います。 歯磨きがいいかげんでも精神的に肉体的に健全な生活を送っていればむし歯にはならない。
では健全な生活とはなにか
1、早寝早起き
2、規則正しい食生活(日本人的和食中心、規則的時間、よく咀嚼する)
3、正しい姿勢を保つ(歩行時、着座時)
4、過労は避ける。
5、悩み、ストレスはほどほどに規律正しい中にも楽しく明るく生きる
6、全身的な病気は早めに治す。
以上のようなことを守ればむし歯にならないというのが私の考え方です。
では、歯磨きは必要か。
生命維持には原則的に不要です。哺乳動物で歯磨きを行っているのは、人間とペットだけです。む し歯になるのも人間とペットだけです。不思議ですね。
しかし、
@社会生活でまずエチケットとして必要です。朝、顔を洗ったり、目、耳、鼻の汚れをとるように対人関係で美しい歯で接し、口臭を予防するために必要です。
A健全な食生活が出来なく(肉食主義の方、ファストフードばかり等)間食や砂糖の摂取が多 い若年者の方に限っては、歯垢が若いエナメル質を溶かすことがありますので、歯磨きが必要です。
B身体にハンデイキャップをお持ちでご自身で歯ブラシできない方、特に嚥下に障害をお持ちの方は、お口の中をきれいにしておかないと肺炎の原因になることがあります
C歯槽膿漏(歯周病)の改善には効果があります。
2、治療の仕方
むし歯の治療は、歯が溶けた場所をきれいに削って金属やプラスチックなどの人工物で埋めます。 したがって、むし歯の治療は完全に元通りに健康な天然の歯にはなるわけではありません。
よく患者さんから「かぶせたのにむし歯になるんですか。」と聞かれて私はいつも答えます。
「あなたのお口の中で一番むし歯になりにくい歯は、今まで一度もむし歯になっていない無傷の歯です。」と答えます。
人工物はあくまで人工物、天然歯に勝るはずがありません。
むし歯がひどくなると歯髄(俗に神経)を取り除いて被せます。その歯が痛むとよく質問されます。「神経取ったのになぜ痛むのですか。」と。
私は答えます「神経ががある歯は木にたとえれば大地に根を張った生きてる木でいつも栄養を吸収して丈夫です。しかし神経を取った歯は枯れ木ですから年月とともにもろくなり、ばい菌の感染を受けたり、噛む力に耐えかねて根が割れたりします。」
3、 治療哲学
むし歯は生活習慣病です。まず、むし歯になったらご自身の生活のリズムに無理がなかったか確認してみる必要があると思います。しかし、日本というストレスの多い社会に住んでいると、むし歯になんてかまってばかりいられません。試験勉強で夜更かしもやむを得ません。仕事をこなすために過労になることや、人間関係でストレスもたまるでしょう。いそがしくてゆっくり咀嚼して食べる暇もないかもしれません。しかし、改善できることは改善しましょう。以上のような注意はむし歯だけでなく全身の健康のために大変重要ですから。
でも、むし歯になったなら早めに発見して小さいうちに治すべきです。人生80年の高齢化社会を迎えましたが、大臼歯の平均寿命は50代です。それを80年に近づけていくのが私の仕事と思っています。
4、 治療方針
@なるべく歯髄(神経)を残す。
特に若年者ではむし歯が神経に達していても抗菌剤(ばい菌を殺す)や覆髄材(歯髄を保護する)を用いて残す努力をする。
A不幸にして神経を取った歯も長期に機能できるようさまざまな策を講じる
(例)枯れ木になった歯の補強として被せる前に金属の土台を通常セメントでつけるが、その後セメントが溶けて根が再度ばい菌に汚染されてしまうことがある。それを極力防止するため当院では歯と金属に接着性を高める表面処理を施したあとスーパーボンドという接着性の合成樹脂でつけている。
B不幸にして歯を失ってもそのしわ寄せを隣の残っている歯になるべく持ってこない。 取り外しの入れ歯がいやということでよく失った歯の両隣の歯を削ってブリッジ(橋)のようにしてつなげることが一般的に行われていますが、私はなるべく避けます。特に全く無傷の歯でしたら患者さんが希望しても拒否します。ただ、以前から入っているブリッジのやり直しとか、もうすでに削っている歯でしたら患者さん納得の上でおこなうことはあります。(取り外しの入れ歯もいやと言う方にはインプラント(人工歯根)という方法がありますが、これは後日述べます。)
Cやはり大事なのは早期発見です。
当院では、若年者は半年に1回、成人は1年に1回の検診を勧めています。
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